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page5.  謎のトイレットペーパー。作ったのは私です。

受付スタッフにしはるの備忘録

page5.  謎のトイレットペーパー。作ったのは私です。

GROVING BASEの2階にある棚。この棚にはGROVING BASEのスタッフや会員さんの本やチラシなどを置いてます。私もその棚にモノを置かせてもらっており、自分の制作物であるトイレットペーパーを設置しました。置き始めた当初はインパクトの強さのせいか、よく会員さんに「なんでトイレットペーパー!?」と聞かれたものです。

今回はその謎のトイレットペーパーについてお話したいと思います。

元々、私は大学で舞台芸術を学んでいました。その延長線で自分で詩を書いてみたり、パフォーマンス作品を作るような活動を行っています。

このトイレットペーパーを作ろうと思ったきっかけは、自分が制作した文章が紙などに印刷された時、なんとなくそこで時が止まるような、そんな感触を覚えたからです。

私はかなり積読をしてしまう人間なのですが、本という物質が近くにあるだけで、なんとなく安心感があるように感じてました。「この思想は逃げていかない、つなぎ留められている」という感覚です。本や紙という媒体があることで得ている安心感。私はそんな感覚に抗いたかったことがトイレットペーパーを使おうと思った最初のきっかけです。

その場にあっても、無くなってしまうかもしれない、消えちゃうかもしれない、そんな危うさを持ち合わせたような媒体に文字を印刷してみたい、そんな考えもあって、薄くて、水に付けると溶けてしまうトイレットペーパーに印刷しようと思いました。

トイレットペーパーが印刷されて手元にやって来た時、見たこともない異物感があって面白い!と思ったことを今でも覚えてます。(逆に面白くなかったらどうしてたんだって話ですが)

それから、複数にわたって作品上演の時にトイレットペーパーを観客に渡していました。その時に、トイレットペーパーを見た観客が色んな見方をしていた様子が、自分の考えている「能動的な観客」や世界との関わり方に対して、すごく良い影響にもなりました。

印刷用の紙やノートといった普段、文章を見る媒体ではないものに文字が印刷されている違和感、トイレットペーパーというモノそのものの弱さ、色んな違和感を内包したこの制作物に見た人、手に取った人、それぞれがモノの向き合い方を問われるような作品のようにも感じています。

筆者;にしはる ( GROVING BASE 受付スタッフ )
滋賀出身/アーティスト/メダカとウーパールーパー飼い

大学では舞台芸術を専攻し、その後は大学院で現代アートの研究を行う。演劇をベースとしたパフォーマンス作品をアーティストとして上演している。

普段はGROVING BASEで受付スタッフとして働きながら、ライターやECサイトの運営などWEB関連の仕事にも携わる。趣味は紅茶とハーブで、特にカピバラさんと宝塚歌劇が大好き。最近は英語とシンハラ語の学習、そしてデータ分析(Looker Studio, SQL)にも力を入れている。

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