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温故知新で、より良いものづくりを -田中誠二さん

気になるお隣さん

GROVING BASEに関わる人を紹介する、連載企画「気になるおとなりさん」。GROVING BASEを拠点とする人、サテライトオフィスにしている人、イベントの開催場所として利用する人、ふらりとコワーキングスペースやカフェに立ち寄る人……。GROVING BASEを活用し、様々なスタイルで活躍する人たちを紹介します。

第5弾に登場いただくのは、システムデザイナーの田中誠二さん。
現在は、仕事のパートナーの方と個室をシェアするかたちで、GROVING BASEをご利用いただいています。

エンジニアとして、25年以上のキャリアを持つ田中さん。
普段のお仕事や、これからの目標について、お話を伺いました。

僕たちは、とてつもない変革の時代に生きている

ー田中さんは、どのような仕事をされているのですか?

エンジニアとして、会社勤めをしています。会社の主力製品は、ガスの流量を制御する機械。僕は開発畑の人間なので設計の仕事がメインですが、お客様に直接ご提案をしたり、訪問して機械の設置をしたりと、マルチに取り組んでいますね。

ーエンジニアを目指したきっかけを教えてください。

僕が若かった頃は、まだWindowsも普及していないような時代でした。そんな中、偶然パソコンを触る機会があったんです。「面白そうだな。きっと今後、こういったものを使った仕事が増えていくんだろうな」と興味を持ちました。

エンジニアの仕事を始めたときに使っていたパソコンは、NECの9801シリーズ……と言って伝わりますかね(笑)
今の価格で4、50万円くらいもしましたが、会社だけでなく家でもしっかり勉強しなきゃと購入して、必死に頑張っていたのをよく覚えています。もちろん、知らないことはインターネットですぐに検索とはいきませんから、先輩の知識や専門書が頼りでしたね。

ーそこから、今に至るまでのキャリアがはじまったんですね。

最初に仕事をやり始めたときと現在とでは、技術がまったく違うと言ってよいほど、発展するスピードが凄まじかったですね。まず、Windowsが登場したときは衝撃的でした。OSがビジュアルチックだし、マルチタスクで動くんだなって。

昔のパソコンといえば、設置するための専用の部屋があったくらい、大型で当たり前のものでした。そんなかつてのパソコン以上の機能が、今、手元のスマートフォンに収まっていますからね。とてつもない変革の時代に生きているんだと実感しています。

ー毎年、次々に新製品が登場しますからね。

ただ、スマートフォンの機能を100%すべて使いこなせている方って、なかなかいませんよね。
僕が設計している製品も、何でもかんでもフルスペックにすれば良いかと言えば、決してそうとは限りません。機能を盛り込み過ぎたら、コストがかかりすぎてしまったり、操作が複雑になったりしてしまいますから。「それって、本当にお客様にとってメリットがあるの?」としっかり考えて、きちんと精査していくことが大切だと思います。

もちろん、新しい技術や製品を見るのは大好きですけれどね(笑)

昔からの技術も、今のエッセンスも取り入れていく

ーすさまじい技術の進歩の中で、今、挑戦されていることはありますか?

IoT(Internet of Things)が話題になるように、現在では様々な機器がインターネットに繋がるようになりました。そして今後も、その範囲はどんどんと広がっていくことでしょう。

会社では、お客様から機器のトラブルの連絡を受けることがあります。ただ今はコロナ禍ということもあって訪問もしづらいですし、今後あちこちから一斉に連絡がきてしまったら、対応しきれなくなるかもしれません。機械がストップしてしまえば、多大なる迷惑をおかけしてしまいます。

しかし、もし機器にIoTの技術を取り入れられたら、製品の寿命や不具合のデータを、遠隔で受け取ることができます。「そろそろ部品を交換した方が良いかもしれない」と予測した上で、メンテナンスの実施が可能になれば、機械をストップさせることなく、運用していくことが可能になるんですよ。ちょうど今、そういうシステムの基礎づくりをしているところです。

昔からの技術を大切にしつつ、今のエッセンスもきちんと取り入れて、役に立つものを作っていきたいと考えています。

ー田中さんが仕事をする上でのこだわりはありますか?

自分が携わる製品については、毎回必ずひとつ、挑戦をしたり新しい技術を使ったりと、「今までにない何か」に取り組むように心がけていますね。同じようなものを、同じようなやり方で作り続けているだけだったら、そこで知識も成長もストップしてしまうと思うんです。全然違う業界のことでも「これは何かに使えないかな?」と、常にアンテナを張って、外の世界を見るようにしています。

そういった意味で、シェアオフィスであるGROVING BASEには別業種の方がたくさんいらっしゃいますし、これまで知らなかったことに触れる機会がある、というのは嬉しいですね。

新しい風が吹いてくれそうな予感がしていた

ーGROVING BASEに入会しようと思ったきっかけは何だったのですか?

もともとは毎日、会社のオフィスに出社をして仕事をしていました。
しかし、こういったコロナ禍の中でオフィスに通い続けることは難しくて……かと言って家で仕事をするのも大変ですし、漠然と「外で働けるようなところはないかな」と探し始めたんです。何件か候補はあったんですが、気づいたら吸い寄せられるように、GROVING BASEに入会を決めていましたね。なにか新しい風が自分の環境に吹いてくれそうな、そんな予感がしていたのかもしれません。

ーちょうど1年前くらいに入会してくださいましたよね。

もうそんなに経つんですね。
最初はテンプオフィスプラン(短期間の契約プラン)でスタートし、その間に会社と働き方について話をしました。ちょうど会社にテレワークの制度ができ始めたときだったので、ぜひ活用させてくれと。テンププランの契約期間が終了したタイミングで、仕事をしやすい雰囲気が自分にとってすごくしっくりきていたので、フリーオフィスプランに切り替えて、GROVING BASEの利用を続けることにしました。

毎日GROVING BASEに来るのは、大体朝の7時過ぎくらい。17時か18時頃には仕事を終えて、帰宅するようにしています。朝早く始めれば、夜もスパッと終わりますしね。週に1、2回は出社をしますが、それ以外はここで仕事をしています。

ここで知り合いになる方とは、何かしらの縁があると思っています

ーそして現在は、個室をシェアして使ってくださっていますね。

今、ベースオフィスプランで個室をシェアしているのは、外部の仕事のパートナーとして20年以上の付き合いがある方です。
もともと彼は、どこかのマンションの一室を借りて仕事をしようとしていたそうなのですが、机や椅子、その他の環境を整えようとすると高額になってしまう……と悩んでいたらしくて。そんな中、僕が「GROVING BASEなら電気もネットも使えるし、コーヒーも飲めるよ」と話をしてみたところ、じゃあすぐに見学に行きます、と。リラックスして仕事ができそうと、即決でしたね(笑)

僕も、彼とはパートナーとして今後も一緒にビジネスできたら良いなと思っていたので、ちょうど良いタイミングでした。個室なら、落ち着いて仕事の話もしやすいですしね。

まだ具体的に事業内容が決まっているわけではありませんが、色々な方からの刺激も受けつつ、ゆっくり考えていきたいと思います。ここで知り合いになる方とは何かしらの縁があると思っていますので、できる限りのことはしていきたいですね。

ー最後に、これから田中さんが挑戦したいことを教えてください。

エンジニアは、ひとつのことに特化している専門職です。ただ「ものづくり」は、それだけではできませんよね。各分野のスペシャリストの力を、上手に調整し、ひとつに仕上げていかなればいけません。良いものづくりをしたければ、「僕はこの分野しか知りません」じゃなく、様々なことをかいつまんで解釈していく力も大切だと思います。

知らないなと思うことがあったら、すぐに聞きに行く。こういうものはできないかなと、発信や相談をしてみる。長い間仕事を続けていると、自分の領域から一歩踏み出すことがだんだん出来なくなってしまいます。ですが、そういった殻を打ち破って、良いものづくりができるように、今後も挑戦を続けていけたらと思います。

田中誠二(たなかせいじ)
システムデザイナー

聞き手:小黒恵太朗(株式会社アイトーン)

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