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page1. コーヒーとの出会いは京都

受付スタッフにしはるの備忘録

初めてのグアテマラ

コーヒーを初めて飲んだ日のことは、全く思い出せないのだが、初めてコーヒーを美味しいと思った時のことは鮮明に思い出せる。今日はそんな話から始めてみよう。

私は学生の頃、京都の古美術店で働いていた。そこは、時よりお客さんや店主のお知り合いの方からお菓子をおすそ分けしてもらうことが多い場所だった。美術という業界だからこそなのか、とにかくプレゼント、お土産の文化が活発であった。

ある日、店主のご友人からご挨拶の手土産として、いくつかの産地のコーヒー豆を頂いた。その時は、たまたまコーヒーが好きな人が出勤していて、その人は私の憧れの人で、その人がそのコーヒーを「美味しい」って言ったこともあり、私も頂いたコーヒーを飲んでみようと思ったのだ。

昔から苦みや辛み、酸味が苦手な味だった私は元からコーヒーが好きではなかった。そもそも、私は当時から紅茶が好きだったこともあり、レストランなどでコーヒーを飲む必要性にも駆られなかった。その為、その時はコーヒー=苦いモノという認識しかなく、飲む機会もなかった。

初めて飲んだグアテマラのコーヒーは、ただ苦いだけでなく、良い香りがして、思わずビックリした。苦さが前面に出るような味わいではなく、いい香りがして、それを追うようにコーヒーの味がやってくる。初めての感覚で、とにかく衝撃的だったことを今でも思い出す。

市販の粉コーヒー、百貨店の思い出

そこから、高いコーヒーは飲める!美味しい!と思った私は、個人でコーヒーを焙煎しているようなお店でコーヒーを買うようになった。さらには新卒の時に務めていた会社のお客さんとの繋りから、ECサイトで販売されているコーヒーにも手を出し、美味しいコーヒー探しは加速した。そう言えば、今、家で飲んでいるコーヒーも新卒時の会社の給湯室で出会ったものだったっけ?そう考えると、要所要所で私はコーヒーと出会っているのかもしれない。

美味しいコーヒー教をすっかり信仰している私は、家族にも布教活動を行うようになった。「ここのコーヒー美味しいからあげるよ」そう言って、私はいくつものコーヒー豆を母に布教した。しかし、母親は一貫して市販の粉コーヒーを貫いた。母の「今はこれで充分なのよ」という言葉に私は納得できなかった。しかし、昔は百貨店のコーヒースタンドで豆を購入していたことを思い出すと、これは母の好き好みの問題ではないようにも思えた。確かに、もう昔あった百貨店は潰れてしまったものね。

シェアオフィスにある焙煎所

GROVING BASEの受付スタッフとなった私は、最初にコーヒーの入れ方を教えてもらった。お湯を注ぐとモコモコと膨らむコーヒーは新鮮な証!とふんわり聞いていたけど、定期的にそこで焙煎された豆でコーヒーを入れることで、ガスによって膨らむコーヒーの景色が自分にとって身近なものになった。

面白いことに、今までの私のコーヒー遍歴は京都で発生している。背伸びして飲んだカフェオレも、とにかく自分を取り戻したくて飲んでたブラックコーヒーも、シェアオフィスで人に入れるコーヒーも、思い返せば色んな場面でコーヒーに触れていた。

京都におけるコーヒーの思い出なんて、既に誰かが書いてそうなテーマだけど、たぶん、全部を集めて文章にしたら、良い戯曲になるかもしれない。

筆者;にしはる ( GROVING BASE 受付スタッフ )
滋賀出身/アーティスト/メダカとウーパールーパー飼い

大学では舞台芸術を専攻し、その後は大学院で現代アートの研究を行う。演劇をベースとしたパフォーマンス作品をアーティストとして上演している。

普段はGROVING BASEで受付スタッフとして働きながら、ライターやECサイトの運営などWEB関連の仕事にも携わる。趣味は紅茶とハーブで、特にカピバラさんと宝塚歌劇が大好き。最近は英語とシンハラ語の学習、そしてデータ分析(Looker Studio, SQL)にも力を入れている。

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