マガジン
Magazine

page2. 中間地点を共に探す

受付スタッフにしはるの備忘録

page2. 中間地点を共に探す

ナチュラルであること

「ナチュラル」という言葉は意外にも難しいもので、あまりにも多くの概念や状態を内包できちゃうからこそ、それっぽいことは言えるけど、どストライクで緻密な感じではないと思う。

今、私の後ろには曲げわっぱのお弁当箱を洗う人がいる。私にとって職場で自分のお弁当箱が洗えることは、かなり自由度が高い行為だと思っている。だから、他の人がお弁当を洗っている姿を見ると、ちょっとニヤッとしてしまう。なんとなく、他人の家の冷蔵庫の片鱗を見ているような気分になるのだ。

GROVING BASEは他のシェアオフィスと比べると、ナチュラルな雰囲気がある場所だろう。共有スペースの中に植物があったり、建物の角は丸かったり、木が多く使われていたりと、建物の自体からナチュラルさがにじみ出ているような場所だ。

「自由で自分らしく働けるオフィス」というコンセプトのもとつくられた、場所をシェアし、となりにいる他人が他人ではなくなるような空間。ここは借りている場所ではなく自分の場所だ、と認知しやすいよう触って汚しても気にならないよう構造材むき出しのデザイン。

私にとって職場とは「その場の考え方に合わせて動く」ような場所で、ある種の精神性というか、思想やルールをどれだけ踏襲して動けるか?みたいな所だと思っていた。しかし、不思議なことにGROVING BASEでは、そういう思想とか精神性みたいなものがなくて(ないという事象があるって考え方は出来ると思うけど)、気付いたら溶け込んでしまっているような、ある意味ふしぎな場所だった。

ついさっき、私の後ろでわっぱのお弁当箱を洗っていた人もそう。水のような白っぽい感じの人で、ハイブランドのTシャツとギラギラした靴を履いているような人とは、少し違う感じだ。

それぞれの接合点

GROVING BASEという場所はそれぞれがそれぞれの人間であることを許されている空間である。しかし、それは皆が自由にやればそれで良し的な簡単な問題でもなくて、それぞれの人間がその場の空気感とか課題感を読み続ける姿勢があってこそなのだとも思う。だからこそ、読み違えたり、読みすぎたり、読みなさすぎたりして悶々とすることもあるのだ。

生産性を追求するビジネスという場においては、全然スマートじゃないやり方なのだろうけど、そうやって心地よさを日々追求する筋トレを行うことで、のちのち頭が凝り固まった変な怪獣にならなくて済むのかもしれない。いや、でも火は吹きたいなぁ…。

ピントを合わせようとし続ける

ナチュラルさとか雰囲気とかノリとか価値観とか文脈とか、そういう無形のものってお金になりづらいし、評価されづらいし、伝わりづらい。(伝え方の問題もあると思うけど)そういうことをしていると、無性にファストフード的な美味しさに惹かれたりもする。だって、絶対に美味しいからね、美味しさは長続きしないんだけど。

でも、そうやって筋肉を曲げ伸ばしすることで、より柔軟で適応力のある人にはなるのだと思う。それを筋トレと言えば良いのか、思考術と言えば良いのか、習慣と言うべきなのか、私の中ではあまり定まってない。しかし、その繰り返しの集積がナチュラルという形を作り出すのかもしれない。

筆者;にしはる ( GROVING BASE 受付スタッフ )
滋賀出身/アーティスト/メダカとウーパールーパー飼い

大学では舞台芸術を専攻し、その後は大学院で現代アートの研究を行う。演劇をベースとしたパフォーマンス作品をアーティストとして上演している。

普段はGROVING BASEで受付スタッフとして働きながら、ライターやECサイトの運営などWEB関連の仕事にも携わる。趣味は紅茶とハーブで、特にカピバラさんと宝塚歌劇が大好き。最近は英語とシンハラ語の学習、そしてデータ分析(Looker Studio, SQL)にも力を入れている。

ご質問がある方へ

GROVING BASEで提供しているサービスやご利用料金・注意事項について、 よくいただくご質問を掲載しています。お問い合わせ・お申し込み前にぜひ一度ご覧ください。